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 「The Yacoubian Building」:  エジプトの社会を鏡に映す壮大な人間ドラマと、ノスタルジックなカイロの風景!

「The Yacoubian Building」: エジプトの社会を鏡に映す壮大な人間ドラマと、ノスタルジックなカイロの風景!

エジプト映画史に残る傑作「The Yacoubian Building(ヤクビアン・ビルディング)」は、2006年に公開されたナギ・アハマド監督作品です。原作は、エジプトを代表する作家アラ・アル=アスワーンによる同名小説。 この映画は、カイロの中心部にそびえ立つ老朽化したアパート「ヤクビアン・ビルディング」を舞台に、そ …
 「Knowledge Production and Social Movements」:フィリピンから届く、知の創造と社会運動のダイナミクス

「Knowledge Production and Social Movements」:フィリピンから届く、知の創造と社会運動のダイナミクス

「知識生産と社会運動」。一見すると、硬い学術用語が並び、とっつきにくい印象を与えかねないタイトルかもしれません。しかし、このフィリピンの研究書は、まさに社会科学の奥深さと面白さを教えてくれる、稀有な一冊です。著者は、フィリピンにおける様々な社会運動を詳細に分析し、その背後にある「知識生産」のプロセスを明らかにしようと試 …
 「Zodiac Animals: A Sculptural Exploration」:  Celebrating Cultural Symbology Through Masterfully Carved Forms

「Zodiac Animals: A Sculptural Exploration」: Celebrating Cultural Symbology Through Masterfully Carved Forms

中国の彫刻の世界を探求する中で、ある一冊の本が私の目に止まりました。「Zodiac Animals: A Sculptural Exploration」。そのタイトルからも想像できる通り、この本は中国の十二支を題材とした彫刻作品集です。しかし、単なる動物の彫刻を集めたものではありません。作者は、それぞれの動物に込められ …
 Glamour & Fashion:  A Deep Dive into Spain's Creative Legacy

Glamour & Fashion: A Deep Dive into Spain's Creative Legacy

スペインのファッション界は、情熱と独創性で知られています。この豊かな伝統を反映する書籍が数多く出版されていますが、今回は「Glamour: The Art of the Spanish Dress」という一冊を紹介します。 解剖図のようなファッションの美学 本書は、単なるファッションブックではありませ …
 イスタンブールの建築:ビザンチンからオスマン帝国へ

イスタンブールの建築:ビザンチンからオスマン帝国へ

イスタンブールの建築:ビザンチンからオスマン帝国へと、その歴史は壮大で複雑なパズルのように思われます。古代ローマ帝国の遺産を受け継ぎ、その後ビザンツ帝国時代を経てオスマン帝国へと移り変わる中で、この都市は独自の建築様式を育んできました。本書「Istanbul: From Byzantium to the …
 「Zero To One」: Silicon Valley の魂を揺さぶるイノベーションの聖典!

「Zero To One」: Silicon Valley の魂を揺さぶるイノベーションの聖典!

マーケティングの世界において、新しい価値を生み出し、顧客の心を掴むことは常に至難の業でした。しかし、韓国発のベストセラー『Zero to One』は、従来のマーケティング論を覆す画期的な思想を提示し、世界中の起業家や経営者を魅了しています。本書は、PayPal創業者であり、Y Combinatorのパートナーでもある …
 ヴィーナスに捧ぐ愛の物語:  ナイジェリア文学から生まれた、色褪せない美への賛歌

ヴィーナスに捧ぐ愛の物語: ナイジェリア文学から生まれた、色褪せない美への賛歌

ナイジェリア文学には、多様な文化や歴史を背景とした、魅力的な作品が数多く存在します。今回は、その中から「Venus to a Goddess」というタイトルの作品をご紹介します。この小説は、単なる愛物語ではありません。主人公の苦悩と成長、そして女性としてのアイデンティティを探求する壮大な叙事詩と言えるでしょう。 あらす …
 「Between the World and Me」:黒人経験を鮮やかに描き出す現代社会の肖像

「Between the World and Me」:黒人経験を鮮やかに描き出す現代社会の肖像

太良直樹著の『Between the World and Me』は、黒人である著者が息子への手紙という形式で、アメリカ社会における黒人の経験と存在意義を鋭く切り取った一冊です。この作品は単なる自己啓発書ではなく、現代社会における人種問題や差別構造を深く考察する学術書としても評価されています。 …
 「Investing: The Last Liberal Art」:古代エジプトの知恵が現代の投資に息吹を吹き込む!

「Investing: The Last Liberal Art」:古代エジプトの知恵が現代の投資に息吹を吹き込む!

経済学者の間では、しばしば「経済は芸術である」という議論が交わされます。それは、経済活動が単なる数字や計算を超えて、人間の欲望、行動、社会構造といった複雑な要素と深く結びついていることを示唆しています。そして、その文脈で考えるならば、「Investing: The Last Liberal Art」という書物はまさに「 …
 「Joyful Journey: A Field Guide to Beauty」: 静寂と光に満ちた、ドイツの自然美への誘い

「Joyful Journey: A Field Guide to Beauty」: 静寂と光に満ちた、ドイツの自然美への誘い

芸術の世界において、「美」とは捉えようのない概念であり、時代や文化によってその定義は大きく変化します。しかし、ある共通点は存在するでしょう。それは、「美しさ」が私たちの心を揺さぶり、深く感動を与える力を持っているという点です。 今回ご紹介したいのは、ドイツの作家であるKlaus Schmidt氏による「Joyful …